上:旧外国人居留地、バンド(海岸通)九番地、波止場に面して建っている旧チャータード銀行神戸支店ビル。 1938年(昭和13年)にJ.H.モーガン(Jay Hill Morgan)の設計、大倉土木の施工で建てられたネオルネッサンス様式の銀行建築。チャータード銀行はかつて香港の発券銀行の一つだった大英帝国の大銀行である。長らく廃墟然として海岸通に佇んでいた同ビルだが、近年レストランバーやブティックが入居し見事に再生された。改装を担当したのは潟Cンフィックス。ただ、成功に気をよくしたオーナーが変な色気を出しさらに余計な改装を加え、この写真に写っている古い窓ガラスを全部新しいサッシに変えてしまった上、内部に二機残っていた古式エレベーターもデジタルなものに変えられてしまった(>_<)。かつては英国式に一階をグランドフロア、二階をファーストフロアと表記していた、非常に居留地の香りが濃厚なビルだったのだで、非常に残念。左隣、アメリカンスタイルのアール・デコの高楼は神戸一の財閥にして日本の八大財閥の一つだった川崎財閥、川崎男爵家の本拠地だった神港ビル(木下益次郎設計・竹中工務店・昭和14年つまり1939年) 。こちらもかつて蛇腹の古式エレベーターが残っていたのだが、十数年前に取り替えられてしまった。


上:いつ頃撮ったのか記憶が定かではないが、チャータードビルが改装される前、荒れ果てていた頃に撮った極めて貴重な内部写真。かつての支店長室か、最上階には豪奢な暖炉付の部屋があった。屋上にはペントハウスもあり、日本離れした建物だったのだ。


 

左:今では夜間はライトアップされるチャータードビル。
右:レストランバーとしてリノベーションされた旧銀行営業室。無茶苦茶高い天井高が素晴らしい効果を挙げている。左に見える重厚な扉は旧金庫室で、奥には非常に面白い通路が隠されている。


 

左:銀行時代のままに残されている金庫室の扉。
右:入り口の開店扉。正面ファサードのジャイアントオーダーを挟み両脇に開口部のあるチャータードビルだが、向かって右が上階、テナント部の入口で、向かって左が銀行営業部の入口である。どちらもこのように古風な木製の回転ドアが用いられている。1987年頃、初めてこのビルの玄関を見た時の感動は今でも新鮮に覚えている。


 

左:外側から見た回転扉。大理石の額縁が美しい。
右:内部から玄関を見る。