上:飛田新地で一番の大楼であった「鯛よし百番」。大正時代の典型的な遊廓建築で、国の登録文化財に指定されている。現在は大衆的な料金で鍋物などを楽しめる料亭となっており、僕らもオフ会などでよく利用、毎回好評を博す大変面白い空間である。

 

左:正面玄関より、北面を見る。このようにかなり規模の大きな遊廓である。角に取られた玄関の上にかけられた唐破風屋根が「千と千尋の神隠し」の油屋を連想させる。
右:玄関より向かって右、西面には、洋館造りが附設されている。和館に洋館を附設するのは、大正期の住宅にもよく見られる当時の典型的な手法である。この「百番」の洋館部の場合内部は継ぎ目も判らないほど和館部と一体化しており、和室として設えられている。


 

左・右:「百番」ほどの大楼でも独立した建築ではなく、東側は隣と棟続きになっている。中段左の写真で言うと、左端、電柱より奥の部分、二階に赤い欄干がある部分が「百番」である。この二枚は「百番」のすぐ東隣、旧遊郭「一歩」、現アパート「一歩荘」の裏側(何面)である。ここも全体の造りは和館であるにもかかわらず、裏側の一階部分のこの2スパンだけは洋風となっている。紅殻色の漆喰壁にアーチ窓、その左右には八角形と菱形の小窓を配し、当時のハイカラ趣味をうかがうことができる。