左:山崎豊子先生の傑作、「白い巨頭」の舞台として知られる旧大阪大学医学部跡地の向かいにある、既に閉鎖された古い雑居ビル。恐らく大正末〜昭和一桁頃の作品であろう。廃墟と化しているので、取り壊されるのは時間の問題と思われる。探偵事務所とかが入ってるとすッごく素敵なのだが・・・・・・。(2002年現在、既に現存せず)
中:土佐堀川にかかる、モダニズム様式の筑前橋。右から左に書いてあるところが渋い。
右:筑前橋を渡り、中之島から西区に入る。七十年の万博までに全て埋め立てられてしまったが、かつて西区は“東洋のベニス”と謳われた水都大阪でも最も運河の多いところであった。今では京町堀、江戸堀、立売堀(いたちぼり)、江之子島などの地名に往時を偲ぶしかない。この太平ビルは一時空ビルになっており取り壊しを懸念されたが、お洒落なカフェや美容院が入り、ダコタハウスという名前で見事に再生された。オーナーにまともな見識があればちゃんと残せるという見本である。設計者不詳、竣工は大正末期か?
左:大正十一年にウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計で建てられた、日本基督教團大阪教會。国の登録有形文化財となっている。教会の創立は明治初期に遡る、日本でも最も歴史あるプロテスタント教会の一つである。この写真は土佐堀通側から鐘楼と牧師館(手前のグレーの屋根)を見たところ。右下に見える赤い看板はサンドヰッチの老舗「ヴィクトリー」で、大変に美味。
右:江戸堀通から正面全景を臨む。日本の教会にはゴシック様式が多いのだが、ここはロマネスク様式である。形の不揃いな焼き過ぎ煉瓦を化粧積みしてあり、細部から全体のプロポーションまで実に美しい。規模的にも我が国屈指の大聖堂である。電信柱が著しく邪魔。近年まで周囲も古い街並みが残っていたのだが、バブル期の地上げが激しかった地域のため今では空き地だらけとなっている。鐘楼の後ろのビルは金鳥ブランドで知られる大日本除蟲菊鰍フ本社。