
上左:梅田阪急前から御堂筋を南下すると、国道一号線と二号線の接続点である梅田新道交叉点を過ぎ、中之島に渡る大江橋の袂にこの堂島ビルヂング(堂ビル)がある。中之島の大阪ビルジング(大ビル)とともに大正期のオフィス建築を代表する、つまり東京でいえば三菱地所により無残に破壊された丸の内ビルヂング(丸ビル)に匹敵する大オフィスビルであり、近年の改装もクラシック建築であることを意識したものになっている。賛否の分れる外観であろうが、高度成長期の改装で全くの豆腐ビルにされていたのであるから、これでもマシになったのである。しかし、この不況のせいでさくら銀行堂ビル支店が閉鎖になったことは実に惜しい。旧三井銀行の頃より、この古いオフィスビルの名称を冠した由緒正しい支店名であったのに。設計施工は竹中工務店、竣工は1923(大正12)。
上右:堂ビルのすぐ北隣にある、大阪市交通局曾根崎変電所。昭和11(1936)年、旧電気局時代に建てられたモダニズムスタイルである。当時大阪市電気局は日本で二番目の大市電網を持つとともに既に市営地下鉄も経営し、更には電気供給事業も行いと、独立採算でかなりの収益を上げている一大企業体であった。恐らくこの変電所は、地下鉄御堂筋線のために建設されたものであろう。日本最初の地下鉄である東京の銀座線は東京地下鉄道という私鉄としてスタートしたが、大阪は市電も地下鉄も最初から市営であった。なお、戦前から地下鉄を持っている都市は、この二都市のみである。
下:同変電所のアップ。近年ポップな壁画が描かれた。この写真では判らないが、壁面には右から左に旧漢字で「曾根崎變電所」と書かれている。