上:住友本館・旧住友銀行本店(現三井住友銀行大阪本店)内、営業室。この建物の竣工は昭和5(1930)年、設計は長谷部鋭吉・竹腰健造である。僕は“けち友”こと住友吉左衛門男爵家の財閥が大嫌いなのだが、ここに自由に出入りしたいが為にこの本店営業部に口座を持っている。たとえ残高100円でも口座さえあれば「ワシは客やぞぉ!!」とでかい面して入ることが出来るからである(笑)。実際、バブル期に近代洋風建築、和風建築を問わず次から次へと地上げして破壊しまくり、日本の街並み、伝統的景観の破壊に多大なる貢献を果したこの銀行は、超悪徳銭の亡者、慾得づくで血も涙もない守銭奴そのもの、鬼畜外道の高利貸という印象すら振りまいていたが、本店の建物はかように素晴らしい。まだ住友財閥に見識や品格があった時代の建物なのだ。大正末から昭和の初めにかけ、長谷部鋭吉を中心に当時の建築界の俊英を集めていたことで名高い住友臨時工作部の作品で、財閥の本拠地たるに相応しい実に堂々たる石積みの大廈である。外観は極めてストイックで、雨樋のガーゴイルの他は正面玄関、東西の脇玄関に威風堂々たるイオニア式オーダーを持つ以外、殆ど装飾はない。しかし内部の営業室は、かくの如く豪華絢爛たる豊潤な空間で、イタリア産大理石製のコリント式オーダーがずらっと並ぶ様は壮観の一言。今や大手銀行の本店でこれだけの規模と内容を持つものはここだけしかない。住友も船場支店初め素晴らしい支店建築のかなりを破壊してきたが、この本店だけは建て替えず守る意志を固めているようだ。一階には他に外国為替部もあり、そちらはステンドグラス張りの天井がこれまた美麗である。
中:同じく三井住友銀行大阪本店営業部内。2001年3月31日までは住友銀行本店であったのだが、住友銀行により三井銀行が救済合併され三井住友銀行(SMBC)が誕生したことにより、4月1日より三井住友銀行大阪本店となっている。
下:同上。


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